おおつるレポート(2024年)

人生は投資である

 私たちは誰もが皆、この日本が採用する「資本主義」という思想が具現化された経済社会システムの上に住み、一生を過ごし、人生を構築しています。
 日本に住むすべての人々が、望むと望まざるとにかかわらず全員「投資」を行っている。つまり誰もが投資家であるという事実の上に私たちは生きているのだと申しているのです。資本主義社会における投資には、この「金融投資(金融資本を金融市場に投じる)」と「人的投資(人的資本を労働市場に投じる)」の2種類の投資が存在します。そして、この2種類が合成された「人的投資と金融投資の合成投資」という、いわゆる「経営」がさらに加わります。資本主義社会にはこの金融投資と人的投資、そして人的投資と金融投資の合成投資の2種3経路の「投資」が存在しているのです。
 あわせて日本という資本主義を採用する国に住む一人の人間として、「自分と自分の大切な人の人生を大切にして幸せに生きる」ということを経済的にも成立させ、実現していくために誰もが持たなくてはならない必須の基礎リテラシーとして「人生は投資である」という構造を理解したいと私自身も常日頃から思っています。

『人生は投資である』福井尚和著 ダイヤモンド社から一部引用

 海外からのインバウンドの増加や野球の大谷選手の活躍を踏まえると、これからの日本、私たちの時代は少子高齢化の社会に突入するものの、ワクワクする社会に突入していくだろうと思っています。その為に、経営者であれば自社の価値創造力と参入障壁を意識し、「付加価値労働生産性の大幅な押し上げ」を図る道を突き進んでほしいと思っています。
 個人においては、今後の人生を安心して生活していく為に、自身の財産を毎月時価総額で見直しする習慣を根付かせ、総財産と金融資産の割合、推移を確認して生活する習慣を身につけたいものです。

税理士 大津留廣和

金融資本:給料等(所得)から生活などで使用したお金を差し引いて残ったお金のこと。
人的資本:多くは「就職」ということを選択して社会人になり、人的投資を始める。
付加価値労働生産性:付加価値額(粗利益)÷労働量(人数×労働時間)

少子高齢化の進行

人口減少経済に足を踏み入れているいま、日本経済の需要構造は需要不足から供給制約に様相を変えている。そして、この需給環境の変化こそがあらゆる経済構造の変化の根本にあるものなのである。人口減少やそれに伴う高齢化の影響で、現在の人手不足は長期かつ粘着的に続く可能性が高い。そして構造的な人手不足は、今後の日本経済に大きな変化を引き起こすことになるだろう。

『ほんとうの日本経済』坂本貴志著 講談社現代新書より一部引用

 我が国の総人口は、2008年の1億2,808万人をピークに減少に転じており、他国に類を見ない速度で高齢化と少子化が進展し、人口が減少していく見通しのようです。
 2023年の①総人口12,435万人 ②高齢化率29.1%(65歳以上の人口割合3,622万人)
③生産年齢人口55.1%(20歳~64歳 6,846万人)が2070年には ①総人口8,700万人
②高齢化率38.7%(65歳以上の人口割合3,367万人)③生産年齢人口48.7%(20歳~64歳 4,234万人)に減少していくと令和6年5月13日付の財務省提出資料に掲載されていました。なお、人口予測は経済指標の中で最も精度を高く予測できる指標であり、経済に対して最も影響力が強いと言われています。
 最近、経営者の仲間達と話しているとよく耳にする以下の言葉等の根底にはこの人口動態の変化が影響していると思います。
本当に人材採用が難しくなった(人がいない)
有給消化をきちんとしていることが当たり前になった(就業規則を作り直した)
残業はしたくない
新人がすぐに辞めてしまう(若い人が来ない)
週休3日制がいい
時給や給料を上げざるを得ない
企業版確定拠出年金制度を導入した
 もし、そうであるならば、高齢者の人達と生産年齢の人達にとって働きやすい職場をどうやって作っていくかが今後の企業経営のテーマになると思います。将来的には、高齢者など短期間しか働けない人はますます増え、長期間働ける労働者が急速に減少する中で、企業はこうした人達にも活躍してもらわないと人員確保がままならなくなっていくと思われます。
また、生産年齢の人達には、企業版確定拠出年金制度を会社が導入し、安心した老後資金の準備を含めた金融リテラシーの知識をつけてあげること、本人達が成長できる仕組みを会社内に作りあげること、それらを経営者は意識する時代になっていると思います。
 デジタル技術が進歩している現在において、65歳になったら即退職や1週間フルに働くことを前提とした旧来型の働き方ではなく、タスク分解を行い、短期間でも希望した人が働きたいときに働ける環境を整備する。その為に企業がタスクを切り出していくことは、これからのビジネスの潮流となっていくかもしれません。
 働き手が減少していくこれからの日本の人口動態を前提とすれば、少ない人手で生産する業態に変容していかなければならない。その為には産業の生産性を高め、より少ない人手で効率的に生産できる体制への変革が必要だと思います。言い換えれば、経営者とそこで働いている人達が一緒になって、一人当たりの生産性(粗利益)を上げる仕組み作りを意識し続けることが必要であると思います。

税理士 大津留廣和

老いていくことは「衰え」ではない「成長」だ

 100歳オーバーのお爺ちゃんお婆ちゃんは1963年の段階では153人だったが、2016年には約6万人、今もグイグイと増え続けている。一説によると2050年には100歳超えの人口は100万人を突破し、平均寿命は男性が84歳、女性が90歳になると言われている。
 100歳時代の僕達が幸せに生きていく為にやらなければならないことは、歳を重ねることを「衰え」ではなく、「成長」にすることだ。その答えを探すことだ。
 これは極めて重要な課題だ。「20歳から60歳までの仕事」と「60歳から100歳までの仕事」この人生において、前半と後半の2つの仕事をやらなければならない。若い人間にはない、ロボットにもない、老人しか持ち合わせていない能力(老人力)を見つけ、それを仕事化していかなくてはならない。

『革命のファンファーレ』西野亮廣著 幻冬舎より引用

 戦後の日本は55歳になると定年退職して余生を送るという形式が一般的でしたが、今現在は定年の年齢(60歳から65歳へ)になっても無理をせず楽しみながら仕事を続ける人が増えてきています。国民的アニメであるサザエさんの波平さんは54歳、当時の平均寿命は63.6歳でした。つまり当初の年金制度は仕事を辞めて隠居したら数年後には天国へという制度だったわけです。しかし今現在は平均寿命が80歳を超える時代です。
 私は、60歳を超えてからの仕事のやり方を健康なうちに真剣に考えたいと思っています。
私自身も来年は古希を迎えます。なおかつ孫が3人もいます。仕事を辞める気はありませんが、今は健康に働き続けることを第一優先に考え、どういう能力(老人力)が次世代に続く人や経営者、資産を守っていきたい人に対して役立つことができるかを真剣に考え続けています。まさに「衰え」ではなく「成長」するための答えを探していくことが「テーマ」であり、この行為自体が日本を成長させるためのひとつのバロメーターかもしれません。私自身も老人力(経験、経営手法、判断力、資産運用能力、読書量等)を磨き続け、併せて思い出作りも意識し、自分の時間を有意義に使いたいものです。
 日本人は「資産を守るためなら銀行預金だけでよいのでは?」
「先祖から引き継いだ土地があるからそれを守っていれば大きな損はない」
「とにかく借金をして投資をすることさえしなければ大丈夫」と思っている人が多いと言われています。しかし今後のインフレヘッジに対応し、ご自身の資産を守るために、何歳になっても資産運用能力を含む「資産管理能力」等が必要になっていく時代に突入したと思っています。それゆえ、早いうちに致命傷にならない程度の小さな損をできるだけたくさんし、経験をより早く積み重ねていくことが必要になってきていると思います。失敗の数を気にせず、チャレンジをし続けることを通じてそこから学ぶ姿勢を持つと、人間は何歳になろうと成長し続けることができると思います。

税理士 大津留廣和
『世界標準の資産の増やし方』川北博光著 東洋経済新報社より一部引用

ハイパフォーマンスを生む習慣~複利的に効果が増す習慣を身につけて圧倒的な競争力を築く~

 最適な人生とは一人ひとりがデザインするものです。
 人生の節目には
 還暦(60 歳) 古希(70 歳) 喜寿(77 歳)
 傘寿(80 歳) 米寿(88 歳) 卒寿(90 歳)
 白寿(99 歳) 百寿(100 歳) 茶寿(108 歳)
 皇寿(111 歳) 大還暦(120 歳) があります。

 「人の人生の後半とは、前半に蓄積した習慣以外の何物でもないように思える」(フョードル・ドストエフスキー)
 「人は人生の前半には後半に憧れ、後半には前半を後悔して過ごしている」というフランスのことわざがあります。
 成功する人は本を読んで知見を広げ、成功しない人は読書習慣がないため視野が狭くなる傾向があると思われます。また、成功する人は今から老後を想定した生活を送り、成功しない人はすべてを引退後に考えようと思っている人が多いように思われます。
 「習慣」が変われば、人生が変わると言われています。そうであるならば、私たちは何歳になろうとも、夢、目標、仕事、人間関係、お金、健康、老後などについて、新しい習慣を身に付けたいものです。あわせて、人生100年時代を見据え、人生の大切な思い出を作る為、家族、仕事、交友(仲間)達と人生の節目、節目でお祝いをしてあげることはもちろん、自分自身もお祝いをしてもらいたいものです。

税理士 大津留廣和
『成功者がしている100の習慣』ナイジェル・カンバーランド著 ダイヤモンド社より一部引用

習慣の大切さについて

  • 年若いことからある習慣を刻みつけるか、別の習慣を刻みつけるかで、小さくない違いが生まれる。小さいどころか、その差はきわめて大きく、いやむしろすべてがそれで決まると言っていい。(アリストテレス)
  • 人はとくに若いうちには、どうも軽く見てしまうようです。習慣がいかに大切か、40歳や50歳になってから習慣を変えることがいかに難しいか、そして若いうちに正しい習慣を身につけることがいかに人生を左右するかを。(ウォーレン・バフェット)

日経平均4,451円安!!!

 2024年8月5日の東京株式市場において、セーリングクライマックス(?)が起き、日経平均株価の下げ幅は4,451円安を記録しました。
 この下げ幅は1987年10月20日(米国株安が世界に波及した「ブラックマンデー」)翌日の下げ幅を上回り過去最大となりました。下落率においても当時に次ぐ過去2番目の下げ幅でした。2024年7月11日の高値42,426.77円から今回の2024年8月5日の最安値 31,156.12円まで約1か月で実に約36%超の値下がりでした。よくもこんな短期間でこんなに急激な下げを記録したものだと思います。
 相場の暴落や調整が起こった時にいつも感じる事ですが、こんな大きな下げが起こっても、私達の日常生活に関しては短期的には何ひとつ変わっていないのが現実です。
 企業の業績についてもこの1ヶ月でこんなにボラティリティが高いはずがありません。この下げで誰が損をしているのか、誰が儲かったのか?
 犯人捜しはどうであれ、一番損をした人、被害にあった人、冷や汗をかいた人は借入や信用取引等でレバレッジを掛けすぎた状態で勝負をしていた人だと思います。
 いつの時代においても一寸先は闇(何が起こるかわからない)であるので、個人の資産運用においても法人経営においても、キャッシュポジション、とりわけ預金と借入の残高等をしっかり管理することが一番大切であることを再発見させられました。
 今後、個人の資産運用においては「ミスター・マーケット」に振り回されることなく、投資先の真の価値を追求していきましょう。
 今回の下げの経験は、時間軸をしっかり意識して「ご自身のポートフォリオ」を自信を持って作り上げるチャンスと捉えたいものです。
 経営者においては再度自社のキャッシュ・フローを生み出すビジネスモデルの再確認とキャッシュ・フロー管理を徹底していきましょう。

税理士 大津留廣和

 セーリングクライマックス:株式相場の下落局面において、経済や政治などの予期せぬ悪材料などをきっかけに、投資家が弱気になり大量の売り注文を出すことで発生する大暴落のこと。
              一斉に売り込まれた後は需給が好転し、その後は上昇に転じることも多い。
      ボラティリティ:証券などの価格の変動性のこと。期待収益率が期待通りとなる度合いを示す。
        レバレッジ:「てこの原理(てこの作用)」のこと。
   ミスター・マーケット:ベンジャミン・グレアムが造ったと言われる造語。

時代の転換点における資産運用~新NISA制度~

 1980年代後半からのバブル経済における生成と崩壊から現在まで続いた長期デフレの時代が終わり、インフレ社会に突入しようとしています。
 しかし、依然として過去の記憶、生き方、また、政治・経済・社会における制度構造や行動様式の多くが残ったままとなっているのも事実です。そのような、大きな歴史的変化に追い付き切れない結果として、日本人はかつての高成長と近年の低迷とを対照させ、自国の経済のみならず、社会や文化についてまで自信を失ってしまっているのではないでしょうか。
 こうした国民の自信喪失こそ、現在の最も根源的な病理が潜んでいると思うのです。

『世界経済のゆくえと資産運用戦略』シティバンク銀行個人金融部門著 東洋経済新報社より一部引用

 こうした構造変化の現実を私達が客観的に見据えるべき時期に来ていると思っています。
 株式市場に目を向けると、日経平均株価は1989年12月の大納会で付けた過去最高値38,915円を2024年2月22日に34年振りに更新しました。また2024年7月11日には42,426.77円と、史上最高値を更新し続けています。為替相場もいつのまにか1ドル160円台の円安に突入しています。
 今の時代において、個人の資産運用は、個々人がより高い次元の豊かさを獲得できるかどうかのカギを握る、最も重要な生活戦略の一つです。国としても、これを後押しする為に新NISA制度を今年度から開始したものと私自身は解釈しています。ストックされた金融資産の有効活用、および資産運用によるフロー収入の安定化のために、資産運用の意義を再確認しましょう。資産運用により所得が安定すれば、個人消費が盛り上がり、経済も拡大します。
 まさに資産運用は、世界と日本の歴史的な構造変化への自己防衛であり、かつ、この変化をチャンスに変えていくための手段でもあります。今後、ライフプランに柔軟に対応する新NISAと税の優遇範囲が広く老後資産形成に適したiDeCoをうまく活用していきましょう。
 私達が資産運用に目を向けることにより、お金の新しい貯蓄の仕方・使い方と新しい自分(今後の生き方)について気づきを得ることができると思います。

税理士 大津留廣和

 新NISA制度:購入した金融商品から得られる利益が非課税になる制度
     iDeCo:自分で拠出した掛金を自分で運用することで資産を形成する、国が認めた年金制度

「1人当たり付加価値向上」のカギとなる3つの成長パターン

 内閣府の調査によると、これから先の生活が「よくなっていく」と答えた日本人の割合は、わずか7.7%だったのだ。「今日より良い明日がくる」と考えている人は1割にも満たない。それが日本の現状だ。日本は戦後、長年にわたって経済成長を続け、世界有数の経済大国という地位を築いてきた。そんな状況がいつの間にか当たり前になってしまった結果、経済が停滞し、「失われた30年」によって日本人はすっかり自信を失ってしまった。だが考えてみてほしい。日本はまだトップレベルの経済規模を維持し、安心、安全に生活できる社会インフラ、先端技術から歴史・文化的資産まで、過去から蓄積してきた数多くの資産がある。客観的に見れば、5年後の幸福な生活を目指す上で、他国と比べても相対的に有利な立ち位置にいるはずだ。

休日に街に出て、銀座や、浅草の浅草寺などの全国の観光地を訪れると、つくづく外国人の多さが目に付きます。日本人が感じている日本の将来と真逆なことが現実的に起こっているのです。今、世界の熱い視線が日本に注がれています。それは長期にわたって低迷してきた日本経済に再成長の兆しが見えてきた為だと思います。私達も外国の方々と同じように、日本の凄さや素晴らしさに気づくために、何を考えどう行動したらいいのか真剣に考える時期が来たのかもしれません。日本は、国全体の人口が減っていく時代に突入しています。昭和の時代のように「良いものをより安く、多くの人に売る」ことから「良いものをより高く、繰り返し使ってくれる人に売る」ことにシフトしていく必要がある時代になったのです。その為には、経営者は「誰に」「何を」「どのように」売るのかを明確にする必要があります。その結果として、1人当たりの付加価値の向上に繋がります。
 
経営者は、1人当たりの付加価値を上げる為に、以下の3つの視点などを意識した経営を目指していきましょう。
①「ライフライン化」~日々の仕事や暮らしに不可欠な存在
 (幅広い範囲の製品・サービスを安価で安定的に提供する信頼性と利便性)
②「アイコン化」~唯一無二の「拠り所」のような存在
 (圧倒的な独自性に由来する高度な機能、パフォーマンス、感動など)
③「コンシェルジュ化」~かゆいところに手が届く頼りになる存在
 (異なる商品・サービスを複合し、潜在ニーズを掘り起こす提案力・企画力)
 私自身も将来を見据え、常に自分自身をアップデートし続け、自分の価値を向上し続けられる存在を目指していきたいと思っています。

税理士 大津留廣和

『価値循環の成長戦略』デロイトトーマツグループ著 日経BPより一部引用

今すぐできる「お金が貯まる4つの習慣」

①朝起きたらすぐに伸びをしよう。
 朝の伸びは、人生に新しく与えられた1日に対する、心と体のあいさつだ。
②起きたら、ベッドをきちんと整えよう。
 人生への感謝と同じだ。食事と睡眠は生活の質を計る重要なバロメーターだ。
③朝の空腹時にコップ1杯の水を飲もう。
 1日をさわやかに始められる。起き抜けの1杯の水は、現代の医学用語で伝えきれないほど多くの利点がある。
④就寝と起床の時間を規則的にしよう。
 仕事でどうしても就寝時間が不規則になったとしても、必ず決まった時間に起床する。
この4つの習慣のような些細な行動のなかに、その人の人生のすべてが表れるからだ。

『お金は君をみている』キム・スンホ著 サンマーク出版より一部引用

 世の中、新NISA制度がスタートしました。
 その結果、証券口座の開設や新NISA制度の利用件数がものすごい勢いで増えているようです。投資において大事なことは、短期の売買益だけを考えて投資することではありません。極端な話、100年先を見据えて投資をするかどうかで複利の効果の蓄積により「天と地」ほどの差になります。(投資企業の選定においては、「投下資本」に対してどれだけ効率よく利益やキャッシュフローを生み出している企業か、併せてこのことを高水準で長期間にわたり持続させることができるビジネスモデルの仕組みがあり、その結果将来に渡り複利的に投下資本を増やし続けている企業か、をしっかり検討することが鍵になります。)
 欧米の資産家の人達は孫や曾孫の時代を考えて投資をしており、だからこそ高率な税制の下でも、何世代にわたって繁栄を続けていられるのだそうです。日本も今後豊かな金融資産を持つ国になっていくと思われます。その際、私達一人一人が資産運用を真剣に考えるにあたって、短期に値幅を取って売買を繰り返し、儲けた、損したと一喜一憂することは止めなければならないと思っています。そのような姿勢を改めて、孫や曾孫の時代を考えて投資することが必要な時代に突入しました。この姿勢は本人と一族の繁栄だけではなく、日本や世界にとって必要かつ重要な企業の成長・発展に物凄いインパクトを与えていくと思っています。
 自分自身の知識もお金の蓄積も事業の発展も、最初はほんの少しの新しい習慣から始まります。何歳になろうとも、大切なことにフォーカス(焦点をしぼる)していきましょう。
 今後高齢者にとっての勉強や投資は、実益を伴う最高の遊び(仕事)になると共に、次世代の人達にとっても最高の教育や経験になっていくと思っています。

税理士 大津留廣和

答えのない社会で生き抜くために~読書量と収入は比例する~

 「読書量」で無限の可能性が切り開ける。
 読書を習慣にして、本から得られる「気づき」をきちんと実践していけば、自己成長が加速します。あなたの「自己成長」はもっともっと速くなります。今の何倍もの速さで「自己成長」できるようになります。

『読書脳』樺沢紫苑著 サンマーク出版より一部引用

 成功する経営者の共通点のほとんどが読書家のように感じています。あわせて私は「読書量と収入」は比例すると思っています。米国の著名な投資家であるチャーリー・マンガーも、最高の投資のひとつは本を買うことだと書いています。何ドルかで、著者があなたのために、その本を書くに至った何年もの経験を手に入れることができるからです。まったく同感です。
 しかし、現実的には日本人の半数は本を読まず、平均だと月1冊程度だと言われています。
 今、この事実を私達が知ったということは私達が「本を読む」という「自己投資」の習慣を身に着け、実行し続けると物凄いチャンスが訪れ、成長し続けることができると思います。しかし、ただ本を読むだけでは何も変わらないと思います。
 本を読み、色々なことを試してみたり、実践したりすることにより、人はより早く成長していけるということだと思います。私達が本を読むことにより、常に学び、新しいことを取り入れながら向上していくことが大事な時代に入ったように感じています。本を読むことにより「気づき」や「情報」を得ることができ、あわせて経営や投資における色々なヒントを得ることもできます。結果、少しずつ「自己成長」が促進され、「考え方」だけでなく、実際に自分の「行動」が変化し、複利的に成長し続けると思います。
 「読書量と収入は比例する」という事実を信じ、この習慣を身につけることにより、成功する経営者や投資家の仲間入りをしたいものです。

税理士 大津留廣和

お金の健康診断

 毎年確定申告の時期を過ごし、お客様の財産内容を確認している中で、財産形成が上手くいっているタイプの人達の特性に気づきました。
   お金持ちになるためには、次の3つのことが大切です。
  ①稼いだ金額(給料等)の範囲内で生活をする
  ②毎年自分の資産を整理し、価値を評価する
  ③残った財産を有効に投資・運用する
 この内、特に②の「毎年自分の資産を整理し、価値を評価する」人達は、必ずと言って良いほど、お金持ちになっているように思われます。

 もしあなたが今現在「しない人達(自分の資産を明確にしたことがない)」であっても、まだ間に合うと思います。日本の社会は長いデフレ社会が終わり、インフレ社会にやっと突入したばかりだからです。新NISA導入を急ぐ前に今大事なことは、ご自身の資産を明確に管理することを始めることです。そしてご自身の資産管理ができたなら、そこで初めて、今回の国からいただいた最高のプレゼント(新NISA制度)を利用し、「日本の国にとっても私達が生活していく上でも大切なことを行っている日本の企業」に投資していきましょう。
 今後日本の株式は、個人投資家にとっても一般の人にとっても、不動産と同様に中核的な資産になっていくと思います。
 私達が毎月・毎年のスパンで財産(資産)の時価総額を把握する行為を習慣化することが、財産形成においても個人の成長においても飛躍のチャンスになるでしょう。
 新NISAをきっかけとして、一度法人と同じように、「個人のバランスシート」を作成することをお勧めします。

税理士 大津留廣和

船を燃やす(Burn the ships)

 「船を燃やす(Burn the ships)」とは、古い習慣ややり方に戻ることはできないという意味だ。船を燃やすということは、従来のやり方と決別するという意味だけではなかった。
 それによって、任務を遂行できるようになったのだ。重要なのは後戻りできないように、退路を自ら断ったことだ。この世で私たちは肉体的、精神的、感情的、宗教的な闘いをしている。人生に大きな変化をもたらすためには、それらの闘いの根源となるものを見つけなければならない。私たちは快適で慣れ親しんだ地に戻りたがっている。自分の船を見つけて、その船を燃やす必要があるのだ。

『ミネルヴィニの勝者になるための思考法』マーク・ミネルヴィニ著 PanRolling より引用


 ①日本の時間当たり労働生産性は49.9ドル。OECD加盟国38か国中27位
 ②日本の一人当たり労働生産性は81,510ドル。OECD加盟国38か国中29位
 ③日本の製造業の労働生産性は92,993ドル。OECDに加盟する主要35か国中18位 (公益財団法人日本生産性本部 HPより)
 労働生産性において、日本は平成2年のバブル崩壊が起こるまではアメリカについで世界2位を取っていた国であったのが、こんなに順位が落ちてしまったのかと改めて考えさせられます。しかし、この順位ばかりを意識していると、日本はダメな国に思えますが、本当にそうでしょうか?
 日経平均を見ると、2023年10月4日の安値30,551.67円から2024年1月23日の高値36,984.51円まで約4か月で一気に121.3%の暴騰です。世界は何を日本に期待しているのでしょうか?
 
日本の特徴として、交通網の充実や交通機関の時間の正確さ、四季が楽しめること、治安の良さ、清潔感あふれる街並み、美味しい食事、漫画の充実が挙げられます。また、企業に目を向けると、自動車をはじめハイテクの分野でも優良な企業はたくさんあり、特に半導体関連においては、世界の半導体市場に占める規模感では日本のシェアは少ないものの、半導体製造装置・検査装置や半導体の材料等という点では日本の企業は世界の先端半導体市場において圧倒的な存在感のある企業(先端半導体市場において、なくてはならない企業)に成長発展していっています。
 このあたり(ニッチに特化して成長発展していく)に、我々中小企業が生き残り、成長発展できるヒントがあると感じています。私達中小企業の経営者は、労働生産性を高める為に、「ポジショニング」を意識して自分たちの強みや価値がどこにあるのかを考えつづけ、その為の試行錯誤の行動をとり続けることがより大切に思えてなりません。

税理士 大津留廣和


 ポジショニング:「位置(ポジション)を決める」を意味する英語です。
 マーケティングの世界では、市場における競合他社との位置関係を明確にしたうえで、差別化すべきポイントを探し出し、自社の立ち位置を確かなものにすることを指します。

インフレ時代の最良の資産は

 インフレ時代の最良の資産は、あなた自身の収益能力だ。自分自身の手腕を高め、自分自身の価値を高めようとする努力は、現実の購買能力の向上という形であなたに報いるだろう。ウォーレン・バフェットが言うとおり、あなたは自分自身をビジネスと考えるべきだ。見た目も動きもビジネスらしくはなくても、あなたは無限の収益力を持つビジネスであり、あなたの最良の資産は、あなた自身なのである。プロ野球選手であれ、誰かの助手であれ、あなたが一芸に秀でていれば、最良の資産は自分自身である。ウォーレンが信じるとおり、自分というビジネスをケアすることは、自分の健康に気をつけ、自分に良い教育を施すことにほかならない。それでこそあなたの潜在的収益力を高められるし、不況や困難の中で収益力を守る方法を見いだすことができるのだ。

『バフェットの大不況を乗り越える知恵』メアリー・バフェット他著 徳間書店より一部引用

 

令和6年の年頭に際し、習慣の大切さ、特に「複利の魔術」を改めて意識したいと思います。① お金 ② 人の成長 ③ 企業の成長、すべてのスタートは意識することから始まり、あとは正しい方向で習慣化し続けることで知らず知らずのうちに複利的に成長していきます。
   
人生のテーマは、他人と比較することではなく「自分自身が成長し続ける」ことであり、あわせて自分の人生を決めるのは、他人ではなく自分自身なのです。そしていつの時代においても経営者の役割は、長期的展望を心に抱きながら「会社の金を人間と商品と新事業に投資する」ことだと思っています。令和6年においては人生100 年時代と複利の考え方を意識し、今まで以上に人の成長(自分の成長も含め)や企業の成長に目を向けたいものです。

税理士 大津留廣和