おおつるレポート(2023年)

これからの日本は驚くほど面白い

 「日本はダメだ」という大合唱は相当に偏っていると考えています。金融の世界でもそうですが、「コンセンサスは間違う」のです。みんなが揃って「今後の状況はこうなる」と思えば思うほど、そのとおりにはならないものです。実際、日本がバブル経済で絶頂のころを思い出してください。当時は今とは真逆で、日本の未来に対して、一点の曇りもない快晴に見え、かくいうわたしも「これからは日本の時代だ」と舞い上がっていました。その後の悲惨な現実は皆さんもよくご存じのとおりです。多くの日本人や世界中の人が「日本はダメだ」と言えば言うほど、わたしは確信を強めています。これからの日本は驚くほど面白い。少なくてもこの先20年から30年の間、日本にとって大いなるプラスの時代がやってくるのです。

『JAPAN IS BACK』 多根幹雄著 主婦の友社より一部引用


 バブル崩壊で、企業も個人も、保有している株式や不動産の価値が暴落しました。その一方で、借金の価値はそのま
まだったので、稼いだ分のお金はせっせと借金返済に回りました。そのため、経済全体では膨大な信用収縮が起こり、経済成長どころか、縮小する流れとなりました。一般的には、儲かったお金を設備投資や研究開発に使わないと企業は複利的に成長していかないのですが、借入金の返済とキャッシュを溜め込むことに専念した結果、日本の企業はどんどん弱くなっていった感じがします。結果、「デフレ社会」「人員余剰」「円高」という状況が長く続きました。
 しかし、ここに来てこれまでと大きく違う状況が日本に現れ始めています。コロナ禍の3年間が過ぎ、世界的な金融緩和の結果や米中新冷戦等の影響で、「インフレ社会」「人出不足」「円安」という真逆の状況(環境)になり始めました。いままでの日本にとって不利な状況(環境)が180度変わるかもしれません。もしそうであるならば、これからの日本は、またとないチャンスの時代だと思います。但し、このチャンスをものにできるかどうかは、私達一人一人が今の時代を意識し、動き始めるかどうかに懸かっています。
 ビルゲイツとウォーレンバフェットは、人生で成功するために最も重要な要素について、「集中」であると口を揃えて明言しています。2人とも、情熱を1つのことに執拗に集中し続ければそれを達成できると考えているのです。これは、目的を達成するまで他のアイデアや関心を脇に追いやることでもあります。いみじくも、このことを先取りして実践した代表格が、ドジャースに移籍した大谷翔平選手や将棋で8冠制覇した藤井聡太さんのように思えます。新しい時代に向かって人生の一回性を意識して、これからの第一歩をチャレンジしていきたいものです。

税理士 大津留廣和

お金の正しい守り方

 「絶対に安全」という神話が消えた。これまでの日本のビジネスの規定や慣習・しきたりなどが根こそぎ変わることになるだろう。その影響の大きさは今までの「外圧」の比ではない。
 私も含めて多くの国民は、この大きな変化の予感のなかで、どのように家族を守り、いかに新しいチャンスをものにできるかという意識が日々強くなっている。日本に軸足を置きながら、グローバル化に対応しつつ、自分と家族の資産を守るためには、どうしたらよいかという問題意識を持つべきだろう。

 日本では親しい間柄や家族の間ではとくに、お金の話をすることに違和感があるかもしれない。しかし、現実には人は生まれてから死ぬまで、お金との関係は避けて通ることはできない。出産費用から葬式代まで、すべて先立つものはお金である。高尚な哲学を語るにも、正義を行うにもお金は付きまとう。

『お金の正しい守り方』大井幸子著 日本経済新聞出版社


 今年(令和5年)は米国の短期金利の急激な上昇、急激な円安、株価の乱高下が起こった年、起こり続けて
いる年のように感じています。コロナ発生からいつのまにか3年以上が過ぎました。早く安定した時代になってほしいものです。現実的にはもはや安定は期待できず、インフレはますます激化し、歴史的に見ても、大激動期に突入しているのかもしれません。
 マスコミが悲観的なニュースばかり流そうが、今後インフレ社会に突入しようが、私達は淡々と目の前の業務(仕事等)をしっかりやっていくしかありません。
 自分達のビジネスモデルの真の価値はどこにあるのか、どこで社会的価値を発揮し、どこで利益を上げていくかを再確認しましょう。個人の財産に関しても、理想的な資産保全の為に何をしていくべきか、その為に理想的な資産ポートフォリオをどのように形成していくべきかを、色々と試行錯誤していきながら検討し、一歩ずつ先に進めたいものです。
 私達日本人は、これからどのようにお金と向き合うかを真剣に考えることが必要な時代に入ったのかもしれません。

税理士 大津留廣和

新しい資本主義

 「2,000兆円の家計金融資産を開放し、持続的成長に貢献する「資産運用立国」を実現する。そのためには、家計の賃金所得とともに、金融資産所得を拡大することが重要であり、iDeCo(個人型確定拠出年金)の拠出限度額及び受給開始年齢の上限引上げについて2024年中に結論を得るとともに、NISA(少額投資非課税制度)の抜本的な拡充・恒久化、金融経済教育推進機構の設立、顧客本位の業務運営の推進等、「資産所得倍増プラン」を実行する。」という国の骨太の方針が提案されています。

「新しい資本主義実現会議」 内閣官房ホームページより引用


 国の方針に対応する為の準備かどうかはわかりませんが、この10月から大手ネット証券で株式の売買手数料
を0円(無料)にした会社が出てきました。あわせて新NISA口座獲得の動きが今後各金融機関間において本格化する可能性が出てきています。国は「資産運用立国」を実現する為に、預貯金や不動産中心の財産形成から株式や投資信託等を中心の財産形成へ軸足を移し始めるような考え方へ誘導しようとしているのかもしれません。
 世界の金利の流れを見ても、約40年間続いた低金利の時代から、今後20年間は高金利の時代へ移りつつあります。日本の社会も長いデフレの時代から、インフレの時代へ突入し始めているように見えます。それゆえ、インフレ社会へ対応する為に、私達が株式投資等に興味を持ち始めることは、経営においても、人生のあらゆる場面においても役立つことだと思います。株式投資等は財産形成のメリットや経営の考え方、ビジネスモデル、キャッシュフロー経営の大事さ等を理解することに役立つ反面、何も準備なしで安易に投資という世界の荒波に出ていくと、「大ケガ」をする可能性が高いと思います。
 優れた投資家や優れた経営者になる為に、チャリー・マンガーの言葉「学び続けるものは成功する」、ウォーレン・バフェットの言葉「いかなる手間も惜しんではならない。正しい列車に乗りさえすれば、金と痛みを節約することができる」「金持ちは時間を投資し、貧しい人はお金を投資します」の意味を噛みしめたいものです。
 私達は今後訪れるインフレ社会に対応する為に、常に学び、新しいことを取り入れながら向上していく必要があります。

税理士 大津留廣和

複利は投資にも人生も劇的に変える!~最高の投資は自分への投資~

 アルバート・アインシュタインは「複利は宇宙で最も偉大な力」と言った。
 それならば、この驚くべき力を知識の構築に応用したら、どうなるだろうか。あなたは学習マシンになる。
生涯を通じて学びを情熱的に追及する。生涯学習者はそうすることにより、知恵を複利のように増やしていく。
このように人は賢くなっていく。時間の価値を侮ってはならない。

『バリュー投資 達人への道』ゴータム・ベイド著 PanRolling より一部引用


 小さな習慣でも時間とともに積み重なっていくと、もの凄い効果が表れます。また、成功する人と失敗する
人の違いは、行動する勇気とそれを繰り返すことができることにあります。このことは会社経営においても個人においても同じことが言えます。
 「企業活動は複利計算構造を内蔵し、企業は複利的に成長を遂げるもの」と言われています。結果、「正しい方向を向いていれば、あとはただ歩き続ければよい」という格言があるように、社長が正しい方向を見据え、行動していく過程において、企業は複利的に成長していきます。謙虚さと常に学びたいと思う気持ちがあれば、2年経つと「頭角」が表れ、10年経つと「差別化」が起こり、30年経つと複利効果により「成長が加速」し、知らず知らずのうちに「付加価値(世の中に必要な企業、人物)」が生まれるものだと思います。
 私自身が年を取って感じることは、どれだけお金を持っていても、時間を買うことができないという事実です。
あわせて時間は、誰にとっても1秒ごとに加速的に失われていく資源でもあります。ゆえに自分の時間の価値をしっかりと認識したいものです。この貴重な時間を自分へ投資することにより、「複利の効果(決意と集中と継続)」という考え方を意識しつつ、目標を持ちそれに向かって行動し続けることで、投資も経営も人生も劇的に変わっていきます。まさに複利には、金融で使われる意味よりもはるかに大きな価値と注目すべきことがあるのかもしれません。

税理士 大津留廣和

「好きなこと」の持つパワー

 「好きなことをしている」と、どんどんパワーが沸いてくる。また、いろんな不思議な出会いを体験し、チャンスが次々とやってくる。いわゆる『ついている』状態になる。その流れに乗っているだけで、人生が導かれるように感じるはずだ。波に乗ると、人生がどんどん展開していく。そうすると、自信も湧き、勇気も出てくる。
多少のリスクならやってみようじゃないかという気分になってくる。これが、またいい循環を呼ぶ。
 逆に、嫌いなことをやっていると、どんどんパワーが落ちてくる。人間的な魅力も薄れていき、自分がイヤになる。周りにもつらくあたったり、無理な犠牲を要求したりする。

『ユダヤ人大富豪の教え』本田健著 大和書房より一部引用


 「子どもにしてやれる最大の贈り物は、自分が好きなことをやって生活をする姿を見せることである」と言わ
れています。好きなことをやってお金になることが、最高の人生と言われるゆえんかもしれません。仕事でそれができれば最高ですが、仕事でなくても『自分が好きなことをやる』、ただそれだけでいいと思います。好きなことをやっていれば、その人は幸せになる。幸せな人は周りを幸せにするパワーを持つそうです。
 コロナ禍を経験して、私達ははじめて将来を予測する事(答えを見つける事)の難しさを体感しました。経営は常に「仮説を立てて検証する」ことの繰り返しの中からしか答えは出てきません。ゆえに経営者にとって、楽しみながら答えを試行錯誤の中から見つけ出すことが一番おもしろいのかもしれません。その為にはしっかり自社の貸借対照表や損益計算書等を確認することを習慣化し、現状を認識する必要があります。
 あわせて経営者は常に自社の「成長」だけでなく「利益及びキャッシュフロー」を意識し続けることが楽しみに繋がっていくように感じています。

税理士 大津留廣和

100歳まで生きよう

 日本人の平均寿命は2021年時点で男性81.64歳、女性87.74歳と言われています。将来的に100歳まで生きると考えると、「自分がしたいこと」「こうなりたいというイメージ」が大切だと思います。経営においても、会社が大きくなるときは社長のやるべきことが大きく変わっていきます。個人の生き方も、60歳を超えたならば大きく変わる必要があるように感じています。特に、「毎日が日曜日」になってはいけません。毎日を日曜日にしてしまうと安楽でしょうが、健康にとっては極めて危険なことです。「働く」ことが、健康長寿、充実した人生、幸せな老後を導くと言われています。
 100歳まで生きるなら、今60歳の人にはあと40年あります。
 15歳の少年は、これからかなりの時間を勉強や労働に割かなくてはなりませんが、60歳の人はすでにそれを済ませ、多くの経験を積んできたはずです。15歳の心的態度になったら、大抵のことはできるのではないでしょうか。
 「自分がしたいこと」「こうなりたいというイメージ」が見つかったら、もう「休憩」は必要ありません。自分が「したいこと」なのですから、楽しくて仕方がない毎日が始まるはずです。「一生の仕事」があるのなら、売り上げや資金繰りの不安を抜きにして、あなたがやりたいようにやる。「人生をかけてしたいこと」があるのなら、予算や時間を気にせずに、その信じる道をやる。「大切な家族とたくさんの思い出を作りたい」のならば、お金をしっかり管理して、思う存分楽しむ。人生とは時間の使い方そのものであり、この大切な「時間」をご自身の使いたいように使うべきです。
 それだけでなく、人生のテーマとして、「成長し続ける」ことが大切です。

 今後、インフレ社会に突入する為、個人、会社のキャッシュフロー状況や資産(財産)構造の可視化による正確な把握(できれば円だけでなく、ドル建で考える習慣)を心掛けたいと思っています。資産(財産)を「貯める、攻める、増やすこと」も大事ですが、60歳を超えたならば、「守る、分ける、継承すること」も大切なことです。何歳になっても自分なりに学び続ける人になり、100歳までの時間を有効に使い続けたいものです。
私自身も日々人生のテーマとして、「成長し続ける」ことや「資産(財産)を円だけでなく、ドル建で考える習慣」を実践し続けていこうと思っています。

税理士 大津留廣和

『60歳からの人生を楽しむ技術』渡部昇一著 祥伝社黄金文庫より一部引用

イールドカーブの逆転

 通常であれば、米2年国債利回りに比べて、米10年国債利回りの方が金利水準は高くなります。(順イールド)
 しかし、ときにはこれが反対になり、米2年国債利回りが高くなり、米10年国債利回りの方が低くなる逆転現象が発生することがあります。(逆イールド)
 景気の先行きが悪くなるときは、米10年物金利で資金がだぶつき、米2年物金利は資金が足りなくなるため、米2年物金利が上昇する一方、米10年物金利が低下して、逆イールド現象が生じるのです。したがって、この逆イールドが生じると、半年後から15カ月後くらいの間に経済がリセッションに入ると言われています。

世界インフレ時代の経済指標 エミン・ユルマズ著 かんき出版より一部引用


 米2年国債利回りと米10年国債利回りの金利差が大きい状態から、小さくなる状態に移行した挙句、逆転現象が発生してしまうと、不況が近いとよく言われます。その前にバブルが発生することが多い点も気にかけなくてはならない点だと思います。
 ゆえに今後、米2年国債利回りと米10年国債利回りの推移を見ていくことの大事さを感じています。2023年6月9日現在で確認すると米国2年国債の利回り(4.596%)と米国10年国債の利回り(3.743%)の差はプラス0.853%になっています。イールドカーブが逆転している状態が続いています。
 リーマンショック後の金融緩和、コロナに対応する為のリーマンショック以上の大幅な金融緩和が行われた結果、今トレンドが大きな転換点に来ているように感じています。
 低インフレ・低金利の時代が終わり本格的なインフレ時代が到来しているのかもしれません。
 日本においても、①極端な量的金融緩和のツケ ②新冷戦の要因 ③財政赤字の問題 等、インフレが定着する可能性がどんどん大きくなってきています。
 まだ低金利が続いていて金利の上昇は起こっていませんが、ビジネスにおいても資産運用においても「金利」「インフレ」を意識しないといけない時代に突入したのかもしれません。

税理士 大津留廣和

 通常  :米10年国債利回り>米2年国債利回り(順イールド)
 逆転現象:米10年国債利回り<米2年国債利回り(逆イールド)

好きなことだけやって人生を満喫する

 古代ローマ時代から伝わる「メメント・モリ」は、死を意識しろという言葉だけれど、その対句として「カルベ・ディエム」というのがある。それは「今日という日の花を摘め」という意味で、要するに「死は必ず来るから、それはしかたないものと覚悟して、いまという時を大切に、楽しく生きなさい」と言っているのだ、と。
 死を見極めると、本当にやりたいことが明確に見えてきます。同時に、どうでもいいこともわかってくる。だから、時間を無駄にすることもないのです。
 いつ死ぬかわからないと思えば、生きている今を楽しまないと損だと思うのは私だけではないでしょう。たとえば今日、「うまいものを食べに行こう」と誘われたときに、今日そこに行かないと一生その食事に出会えないかもしれない、だから行かなくてはと思う。
 「どうせ死ぬんだから」と思えば、好きなことができるものです。さらに「もう死んでもいいや」って思うことができれば、人間かなり思い切ったことができます。逆に、死にたくないと思えば思うほど、人生の充実度、幸福度が下がってしまうものです。

『好きなことだけやって寿命を使いきる どうせ死ぬんだから』和田秀樹著 SB Creative より一部引用


 日本人の平均寿命は、男性81.47年、女性87.57年(2021年時点)で世界トップレベルの長寿国になりました。世界
に先駆けて、少子高齢化の社会が訪れた日本は色々な試みによってワクワクする国になっていく可能性がある国だと思います。
 人生100年時代に際して、世の中、「貯蓄から投資」と言われていますが、この言葉は若い人に言っていることで、還暦を超えた私達にとっては、「貯蓄から消費」を目指すべきだと思います。その為に、ご自身の財産状態を棚卸すると共に、お金の管理をしっかりする習慣を身につけましょう。加えて、経営者であれば事業の現状についても再度確認しましょう。
 アフターコロナの時代が動き始めました。
 人生とは時間の使い方そのものです。
  ・一生の仕事をあなたがやりたいようにやる
  ・人生をかけてやりたいことをトコトンやる
  ・大切な家族とたくさんの思い出を作る 等
 ご自身がやりたいと思っていることを、時間ができたらとか、会社を引退してからやろうと思っているならば、「いますぐ」実行することを考えたいものです。

税理士 大津留廣和

やってみることの重要性

 「少額でいいですから、投資をしてください。本を読むだけではだめです。」
 人は経験や実践を通して、たくさんのことを学ぶ。本を読むこと、学ぶこと、
 考えることはとても大切だが、それ以上に「やってみること」はもっと重要だった。

『ウォーレン・バフェット 賢者の名言365』桑原晃弥著 かや書房より一部引用

 「金利の60年サイクルに従えば、あと20年は金利上昇局面が続く」と言われています。
 平成2年、不動産業者に対する金融機関等からの融資残は約50兆円を超えたそうです。
 当時、私自身の住宅ローン金利も6.5%から8.9%まで上がり、その後バブル崩壊が起こったように覚えています。その後、金利下落局面がつい最近まで続いていました。
 日本以外のアメリカ等の諸外国においては不動産投資や株式投資等は非常に有利な時代だったと思います。日本においてもアベノミクス時代は資産を持っている人には非常に有利な時代が続いていました。今回(令和5年時点)、不動産業者に対する金融機関等からの融資残は約100兆円を超えたそうです。日本の場合、まだ住宅ローンの金利は1%を切っている状態なので、すぐにバブルは崩壊しない(?)と思いますが、ゆっくり、少しずつ危険な領域に入っていっているように感じています。アメリカのFRBはインフレ要因から1年間に史上最速のドル金利引上げと資産縮小をおこないました。結果、債券の大幅な含み損が発生し、SVB破綻等の大変なことが起こりました。日本はまだ金利が上がっていないので、今現在は影響がないように思われますが、注意が必要な状態には変わりないと思っています。
 バブル崩壊の要因として
 ①価格が高くなり過ぎた時
 ②金融の引き締め(金利が上がる時)
 ③不動産業者の所有物件(在庫)が増えている時、等が一番危険だと言われています。

 幸福とは、意思と行動によって自らつかみ取るものであると言われています。
 今こそ、日本特有の構造変化(人口減少、少子高齢化)を「ピンチ」ではなく「チャンス」と捉え、挑戦すべき時期です。そしてチャンスを自らの意思と行動でつかみ取る為には、まず「やってみること」が重要です。アメリカと日本の金利動向を意識し、併せて将来のビジネスにおける決断すべき判断や資産形成のために、少額の投資を試みる事は、必要なのかもしれません。

税理士 大津留廣和

人生が豊かになりすぎる究極のルール

 人生の最大の目標は収入や資産を増やすことではない。大切なのは、経験とそれらがもたらす永続的な思い出によって、人生を充実させることだ。
 ただ生きるだけではなく、十分に生きる。経済的に豊かになるだけでなく、人生を豊かにするための方法を考える。
 でも現実的にはあなたは「良い仕事に就き、膨大な時間を捧げて働き、60代から70代に引退し、そのあとで人生の黄金期を過ごす」という従来の価値観に従った生き方をしています。
 現在の社会では、勤勉に働き、喜びを先送りすることを美徳とする、アリ的な生き方の価値が持ちあげられすぎているということだ。その結果、キリギリス的な生き方の価値が軽視されすぎている。つまり、キリギリスはもう少し節約すべきだし、アリはもう少し今を楽しむべきなのだ。

『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』ビル・パーキンス著 児玉 修訳 ダイヤモンド社より

 「アリとキリギリスの生き方の中間にある最適なバランスを見つけること」という目標を持つことが、あなたを正しい方向に導いてくれると思っています。
 このテーマを考えれば、何も考えずに働き、貯蓄し、できるだけ資産を増やそうとしていたこれまでの人生を変え、できる限り最高の人生を送れるようになる気がしています。
 相続の問題を考えると「親が財産を分け与えるのは、子供が26歳~35歳のときが最善」と言われています。本当に自分が死ぬときまで待つ必要はあるのか?
 今すぐに必要な住宅資金の援助や将来の孫の教育資金等を分け与えたほうが、一族はそのお金を有意義に使えるのではないかと思っています。
 健康上の問題は年齢が上がるにつれて大きな制約になり、高齢者では最大の制約になります。また、「お金」「健康」「時間」のバランスが人生の満足度を高めると言われています。
 仕事面においても、70歳を超えたら、すべての業務を引退するのではなく、本当に好きなことだけを仕事にできるチャンス到来なのです。(金銭的な余裕もあるので、報酬よりもやりがいを優先できるとともに時間的な余裕も有る為)
 自分は今まで何をしていたのだろうか?
 これ以上、先延ばしをせず、今すぐ本当にやりたいこと、大切なことをしましょう。
 体力や気力が落ち始めるまで、人生を充実させる経験をするのを待つ理由などないはずです。死ぬまでに使い切ることのないお金を貯めることばかりに労力を注ぐのではなく、今すぐ人生を最大限に楽しむ為の時間を持ち、一生の思い出になること(人生が豊かになること)をしていきたいものです。

税理士 大津留廣和

最適な人生とは一人ひとりがデザインするもの

 日本の社会における総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は約29.1%(過去最高)、総人口に占める75歳以上の高齢者の割合は15%超になっています。今後75歳以上の人がどんどん増えていく状態が続いています。あっという間に、日本という国は超高齢化社会に突入しています。

 今月私が仲間達と仕事の関係で金沢に旅行に行った際、有名なお寺(大本山總持寺祖院)の入り口で看板に書かれていた言葉「過去を自慢するのは進歩の止まった証拠」、この言葉が気になりました。
 自分の視点が過去に力点が置かれ、未来に対する視点が弱まっている可能性が高いのかもしれません。
 私自身もいつの間にか還暦を過ぎ、古希予備軍に突入しています。人生とは早いものだとつくづく思います。今後、還暦(60歳)の次には古希(70歳)、喜寿(77歳)、傘寿(80歳)、米寿(88歳)、卒寿(90歳)、白寿(99歳)、百寿(100歳)、茶寿(108歳)、皇寿(111歳)、最終的には大還暦(120歳)まであるそうです。
 今後節目で長寿のお祝いをしたり、してもらったりしていきたいものです。
「最適な人生」は、本人の置かれている環境、健康状態、性別、信条など様々な前提によって変わりますから結局のところ、一人ひとりが自分でデザインするものです。
 人間は過ぎ去った過去を変えられないが、起きたことの意味は変えられます。
 人生100年時代に際し、未来に対して、自分はどう行動するのか、どう生活していくのか、そろそろ真剣に考える時期に来ていると思ってます。

税理士 大津留廣和

コロナ禍と偉大なる休止

 時には社会全体が、時間の新たな認識に揺り動かされることもある。
 まさに、今回のコロナ禍が原因で、世の中、法人も個人も偉大なる休止をよぎなくされました。
 結果、私は個人的にはパーソナルファイナンス(個人のお金の管理法)を意識する時代に入ったと思います。
「給料を受けとったら、まず自分の取り分を確保しましょう。」というのがこの考え方の基本です。給料が入ってすぐに一部を貯金や投資に回せば、後でお金が足りないと感じなくてすむ。日々の買い物をするときにも、まるで最初からその分がなかったかのようにやりくりできる。しかし一般的な世の中の人は、まず日々の買い物をして、余ったら貯金をしようと考えている。するとなぜか、月末にはすっかりお金がなくなっている。派手に無駄使いしたわけではない。
 このことは時間についても同じだ。まず自分の取り分を確保しないと、どんどん他のことに時間を使ってしまい、本当に大事なことができなくなる。余った分(時間)を投資しようと思っていても、絶対に余らないのだ。本当にやりたいことがあるなら、確実にそれをやり遂げるための唯一の方法は、今すぐに、それを実行することだ。今やらなければ、時間はないのだ。

『限りある時間の使い方』オリバー・バークマン著 かんき出版より一部引用

 伝統的なタイムマネジメント術にも、同じようなアドバイスはある。「1日の最初の1時間は最も重要なプロジェクトに取り組む」「自分自身との『ミーティング』をスケジュールに入れて、他の予定が入らないようにカレンダーを埋めておく」などだ。
 パーソナルファイナンスを行うことは、「『お金と時間』を最初に確保する」ことであり、同時に自分自身の行動を習慣化することでもあります。
 私達はコロナ禍により、「自分の時間は有限だ」「人生は限られた時間である」といった色々な気づきを与えてもらったことを意識し、パーソナルファイナンスの第一歩を踏み出したいものです。

税理士 大津留廣和

パーソナルファイナンスとは
『個人および家族が自らのライフデザインとライフプランニングに表現される「人生の幸福」を実現することを目的として、誕生、成長、自立、成熟、老後、相続といった長期間にわたる様々なライフステージにそって、どのように労働能力を形成し、そこから最大の税引き後キャッシュフローを生みだし、それを株式、債券、預貯金、不動産といった有形資産と消費へ配分し、有形資産のアセットアロケーションを考え、負債も考慮し、リスク管理しながら資産形成し次世代に継承していくかをテーマとするファイナンスの一領域である。』と記載されています。

日本FP 協会のパーソナルファイナンステキストより