情報ネットワーク2012年12月表紙より
会社の利益の源泉である付加価値の配分で、最も大きなウエイトを占めるのが人件費であり、中小企業では40%~50%にも達する。したがって、社長の実務としてまずやるべきは、自社の労働生産性を正確に把握することである。そのためには、自社の決算書から付加価値を抜き出して、その年の平均社員数で割ってみればいいだけである。
但し、単年度の労働生産性を見たけでは、その数字が良いのか悪いのか、そして、その数字をどうすればよいのか、社長としての判断がつかない。直前期・直前2期・・・と、時系列に労働生産性を並べて、初めて判断がつく。
社長がつかむべき決算書の数字は、単年度の絶対額を見ただけでは何もわからない。決算書を年度ごとに並べて、ある数字が傾向的にどうなっているかを把握して初めて経営的な判断ができる。
そして、労働生産性が年々下がっていれば、人の用い方が悪いということである。つまり、稼ぎ出す付加価値に対して、過剰あるいは割高な人員を配置しているということだ。皆さんの会社では実際のところ、どのような傾向だろうか。
下記の労働生産性の過去5年間の経過(できれば1991年の数字も)算出し、実際の傾向をつかんでいただきたい。
過去5年の労働生産性の経過 | |||
年間付加価値(千円) | 平均社員数 | 労働生産性(千円) | |
今期予想 | 人 | ||
直前期 | 人 | ||
直前2期 | 人 | ||
直前3期 | 人 | ||
直前4期 | 人 | ||
直前5期 | 人 | ||
1991年 | 人 |
(社長が絶対に守るべき経営の定石 佐藤肇著 日本合理化協会出版局)
あわせて、(部門別)一人当たりの生産性と一人当たり人件費の把握をした結果、現在の一人当たりの生産性について、TKCのBAST値にもある700万円以上になっているかどうかを確認しましょう。なぜなら、この水準で中小企業の皆様が何とか黒字トントンになる数字だと思うからです。自社の数字がどれくらいの水準にあるか一度、じっくり把握することをお勧めします。
税理士 大津留廣和
情報ネットワーク2012年11月表紙より
(1)小規模企業共済
全国で約120万人の経営者が加入している制度であるとともに掛金は全額所得控除の制度です。
今後考えなければならないことは、いままで掛けてきたこの制度の掛け金を各経営者がどうやって受け取れるか、受け取るかが重要です。
①A共済制度での受取(個人事業の廃止、個人事業主の死亡)
②B共済制度での受取(老齢給付、65歳以上で180ヵ月以上掛金を納付した方)
③準共済事業での受取(会社等の役員の退任等)
④任意解約等での受取
が考えられます。自分自身がこの4つのパターンでいくらもらえるかは、中小企業基盤整備機構の電話番号(042-567-3308)に電話を入れる(ご自身の共済番号・生年月日・998#)と自宅に1週間ぐらいで明細が記入したハガキが送られて来ます。長年この制度をご利用されている方は一度明細をもらうことをお勧めします。
(2)倒産防止共済制度で経営者の退職金をつくろう
中小企業の連鎖倒産を防ぐために設けられた共済で、もし万が一、取引先が倒産して損失を被った場合には、積み立てた金額の最大10倍(最高8,000万円)を「無利子・無担保・保証人不要」で借りることができます。
また、掛金は、最大で年間240万円まで積み立てることができ(上限800万円)、掛金が全額控除になるという特徴を持っています。この上、40ヶ月以上、掛金積立を行っていれば、解約した際には「100%」の解約手当金を受け取ることができますので、会社経営の保険としてだけでなく、これを退職金として利用することもできます。掛金の全額が損金扱い(所得控除)になり、たった3年4ヶ月積み立てれば、あとはいつでも100%の積立金が受け取れる金融商品なんて、民間の保険では、まずありえません。
一度、この両制度を利用している方はどう自分自身が利用するか、どう解約するかを真剣に考えてみてはいかがでしょうか。もし、この制度をまだ利用していない方は一度検討してみてはいかがかと思います。
一つの商品、一つの出来事を色々な角度から見て、検討することは今の時代、ビジネスにおいても、子供の教育においても非常に大切なことに見えてなりません。
税理士 大津留廣和
情報ネットワーク2012年10月表紙より
意外なところに影響が出ること、また、あてにならない期待をすることのたとえ。風が吹くと土ぼこりがたって目に入り盲人が増える。盲人は三味線で生計を立てようとするから、三味線の胴を張る猫の皮の需要が増える。猫が減るとねずみが増え、ねずみが桶をかじるから桶屋がもうかって喜ぶということ。
アメリカはリーマンショク後にアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)はQĒ1(量的金融緩和)をおこない、その後QĒ2をおこない、とうとう平成24年9月13日にはQĒ3をおこないました。
そしてこの超低金利政策は2015年半ばまで延長しました。
更に住宅ローン担保証券を月に400億ドル買い続けるという内容のQĒ3を発表しました。
日本の世の中においてはその翌日、テレビ番組等では上戸彩の婚約発表に注目が集まっていましたが、経済に置いて一番重要なアメリカのQĒ3を経営者はどうみるかが非常に重要です。
まさに日本のことわざ通り、じわりじわりと影響が出てくることでしょう。
金融機関は私たちから預金という形でお金を受け取り、いつでも払い戻せるように現金を用意しています。しかし、すぐには引き下ろすことを必要としない預金は他者へ貸し出すことができます。貸し出しても預金自体がなくなるわけではないので、預金額のほかに貸し出した新しい現金が発生します。
このように預金は金融資産と金融負債を増加させていきます。(信用創造の仕組み)そしてこの信用創造は経済を活性化させます。
但し、預金者が将来に不安を感じて預金を引き下ろし、タンス預金にしたり、貸出債権がリスケ債権や不良資産になったりすると逆に信用創造の連鎖が止まり、景気が減速します。
つまりおカネを入れないといけない経済状況だと判断し、アメリカはなにがなんでもおカネを世の中に出し、景気を減速させないで、インフレ社会に持っていこうという話です。この動きは日本にも影響し、まさにことわざ通りになにかがおこり始めるのか、冷静に世の中を観察しながら、一歩一歩確実に経営をしていきたいものです。
税理士 大津留廣和
情報ネットワーク2012年9月表紙より
平成24年6月21日に中小企業経営力強化支援法が成立し、平成24年8月30日に施行されました。
この法律では、中小企業の経営力の強化を図るため、①中小企業の支援事業を行う者を認定し、その活動を後押しするための措置、及び②中小企業の海外展開を促進するため、中小企業の海外子会社の資金調達を円滑化するための措置を講じています。
背景には
①中小企業の経営課題は、多様化・複雑化。財務及び会計等の専門的知識を有する者
(既存の中小企業支援者、金融機関、税理士・税理士法人等)による支援事業を通じ、課題解決の鍵を握る事業計画の策定等を行い、中小企業の経営力を強化することが急務となっている。
②また、内需が減退する中、中小企業が海外展開を行うに当たって、中小企業の海外子会社の資金調達が困難など、資金面での問題が生じている。このため、中小企業が海外で事業活動を行う際の資金調達を円滑化するための措置を講ずることが急務となっている。
この2点が書かれていますが、実際にはもう一つ(平成25年3月31日をもって中小企業金融円滑化法が終了する)の事があると思います。
日本のバブル崩壊、アメリカのリーマンショクから来る不況、欧州の金融不安等、中小企業を巡る経済環境が大きく変化する中、新たな事業活動を行う際に直面する経営課題は、一層多様化・複雑化しており、これらの経営課題に対応するには、中小企業の財務内容等の経営状況の分析や事業計画の策定支援・実行支援を行うための支援体制の整備が重要だということです。
そのため「金融機関の方」と我々税理士等の専門家に支援認定機関になってもらい信頼される帳簿・決算書や経営計画の作成等を通じ、健全な資金調達や経営を中小企業の皆様におこなってもらう為の仕組み作りだと思います。
当事務所もこの法律の趣旨を重んじ、今回の支援認定機関、正式には「経営革新等支援機関」になり、微力ながら中小企業の皆様のお役立ちができる体制を築くため、関東財務局に申請を提出致しましたことをご報告させていただきます。
税理士 大津留廣和
情報ネットワーク2012年8月表紙より
デフレ時代の長期化にともない、大企業も中小企業の経営者も個人(特に50歳以上の住宅ローンの支払・子供の教育資金がかからなくなった人達や高齢者の人達)も手許キャッシュフローの充実に努めた結果、金融機関の預金量がどんどん増えていきました。
それにともない金融機関の貸出金額は伸びず、今現在は金融機関がお預かりしている総預金に対して貸出金の割合が約7割程度の水準に留まっています。まさに世の中お金が余っています。
金融とはお金を融通し合うことです。お金を留めることなく、持っている人からお金を必要としている人へお金を動かす仕組みが経済を活性化させます。
今後企業の資金ニーズとして都市・地方を含め、地域社会に根ざした、安定した事業を目指す経営者にとっては日々の安定的な運転資金が必要になります。
新分野の開発や規模拡大を目指す成長型の経営者にとっては成長に向けた資金等が必要になります。
このように、それぞれの企業の段階、形態、指向に応じた様々な資金ニーズが出てくることが予想されます。
その時一番大事な要素の信用こそが金融の本質だと思います。
経営者にとって、税務署だけでなく、金融機関からも信頼される帳簿が必要をされる時代に突入しました。そこにおける信用制度の根幹は信頼であり、会計事務所による毎月の月次巡回監査に基づいて会計帳簿や決算書の適正性を確保することが前提になります。
経営者が適正性を確保した決算書と自社のビジネスモデルや数字をきちんと把握し、数字で実態ベースの話が金融機関の皆様とできる体制を築くことが望まれます。
税理士 大津留廣和
情報ネットワーク2012年7月表紙より
人は、ほかの何を忘れても「お財布」だけはしっかり握りしめて外出します。
それは、とりもなおさず、お財布の中に、「お金」が入っているからです。
お財布には、その人の「お金に対する考え方」や「生き方」が表れています。
つまり、お財布を見れば、その人の「金運」が透けて見えてくるのです。
お金の管理は時間や体重の管理と、とても似ています。
だからこそ、自分のお財布について見つめ直すことによって、人生の課題そのものと向き合うことができます。
①「1万円札」を先頭に入れる。
①「年齢×1,000円」を入れておく。
②財布は長財布にする。
③硬貨は「小銭入れ」に入れる。
④「稼ぐ」「使う」「貯める」のバランスを取る。
⑤仕事に「ビジョン(志)」を持つ。
⑥お金について学ぶ。
⑦「足ること」を知る。
支出が、収入に見合った額になっているかが一番大切。
⑧「借入金」は今すぐ返済に専念する。
⑨「お金の先にあるもの」をイメージする等。
(財布の習慣 佐藤伝著より 引用)
「財布の習慣」を突破口にして一度、経営におけるキャッシュフローについて見直してみて下さい。何か大きなヒントがあるかもしれません。
税理士 大津留廣和
情報ネットワーク2012年6月表紙より
お金ってそもそも紙であり価値がありません。
そして空気のように増えたり減ったりするものです。
多くの人がそのお金に価値を認めようとしているので価値があります。
国民みんなの信用の上に成り立っています。
資本主義経済の現在において、経済はお金を利用することで回っています。
そしてお金とは「人間で言う所の血液に当たります。」ゆえにお金がまわらないと経済は死んでしまいます。
アメリカでおこったリーマンショックや今現在進行している欧州危機(ギリシャ)問題も信用不安からお金が流通しなくなったことも大きな原因です。
お金が増えたり、減ったりする仕組みとは
「私達のお金を金融機関に、もし100万円預金した」と仮定すると、
そのお金は金融機関を通して別の人に90万円融資されます。そうするとその90万円借りた人はその90万円の内、すぐ使う10万円以外の80万円はまた金融機関に預金として預けます。次は金融機関はその80万円のうち70万円をまた別の人に融資をして行きます。そのようにお金はどんどん膨らんでいきます。景気がいいときは、その連鎖がおこり、自分達の預けた金額のだいたい12.5倍ぐらいには膨らむと言われています。
逆に中小企業の経営者が元気がなくなったり、又は力のある中小企業の経営者までが設備投資等に慎重になりすぎ、金融機関が預金として受け入れた金額が融資に回らなくなると、この動きが悪いことを意味しております。そして私達が信用不安になり、金融機関からお金を引出し、タンス預金などをしていたりとか、借入をしている企業がその借入金を返済できなくなると、今度はこの連鎖が逆に作用し、経済が益々縮小し、景気がさらに悪くなります。そして不況が深刻化していきます。よくお金は天下の回り物と言われるゆえんかもしれません。
私達に問われていることは、私達が持っているお金を社会の為に、自分達のためにどう使うかが、個人においても会社においても重要なことです。このお金の信用創造の仕組みを一度意識してみましょう。
税理士 大津留廣和
情報ネットワーク2012年5月表紙より
感情の大きな障害物は「恐怖」と「怒り」です。
恐怖は「未来」について、怒りは「過去」についての感情で、多くの人はそこに拘泥されていますが、これほど無意味なことはありません。
何があっても、「現在」のことに集中してください。
ほとんどの人は、「こんなつらいことばかり起こるなんて、自分にはツキがない」「こんなドジをするなんて天に見放されている」と、「今の自分」を嘆いてばかりいます。
つらいことがあったとしても ~大切な人や物を失ったとしても ~ ツキに見放されていると考える必要はありません。
何かを得たり失ったりするのは運や天とは無関係です。
「今の自分」を大切にして、一瞬一瞬を一生懸命に生きていれば、世界はあなたが何をしようと何を考えようと、平等に無条件に奇跡を起こしてくれます。
そのチャンスがめぐってくることを信じてください。
「デキる人の脳 ノア・セント・ジョン著 三笠書房より引用」
人間の感情とは不思議なものです。
気の持ちよう次第でどうにでもなります。
事業も会社経営もしかりです。
社長自身が「恐怖」や「怒り」の感情をコントロールし、将来のイメージが持てた段階で事業は成功する可能性が高くなります。
今の時代、ここで一回立ち止まり、自社の置かれている位置の確認をしてみましょう。
昭和のインフレの時代は借入金をしてドンドン資産を増やす経営が成長を後押ししました。
しかし、平成の時代はその逆で資産は極力増やさず、昭和の時代に増やしたゴルフ会員権、節税目的に入った生命保険、外車、投資有価証券、不動産等の不必要なものから処分し、総資産を圧縮するとともに、ドンドン利益を出して税金を払い、キャッシュを残す経営にシフトした会社から成長が始まっています。今の時代のイメージを持ち一度自社の総資産の回転率(売上高÷総資産)を10年間ぐらい比べてみて、この総資産回転率が除々に上がっているかどうか、自社の経営が時代にあった経営をしているかをどうか確認してみて下さい。
税理士 大津留廣和
情報ネットワーク2012年3月表紙より
楽しみを財産に変える生活(本田静六著)の本の中で幸福になる6条件を述べていましたので今月号はその6条件を紹介させて頂きます。
第1は、心身の健康である。
第2は、自己の欲望の満たされることでワカリやすくいえば、自分の望みがかなうことである。
第3は、自分の努力によることである。
第4は、心の感じ方である。
一度幸福を得ても、それをそのまま永久に持ち続けることはできないのであって、
必ずや、自己の不断の努力によって。これを保ちかつ向上させていかなければならないのである。
第5は、幸福は自分でつくるものである。
自分が目的理想のもとに努力しつつ漸次その理想を実現していく途中に、自分
の味わうのにふさわしい幸福が生じるのである。
第6は、苦痛を通しての歓びである。
いかなる悲痛にも、私はこれにウチカツぞ、堪え通すぞという勇気がでると同時にすでにそれは悲しみではなく喜びとなるのである。
だから努力を通しての幸福に入れた人には、努力が道楽になり、努力そのものが、ただちに幸福と感じられるのである。
幸福とは自己の努力によって、その欲望が満たされ、心身ともに、愉快を覚ゆる状態であり、しかもそれが自己の健康と社会の希望に反しない場合をいう。そして幸福そのものは、比較的進歩的なものであるから、日々新たなる精進努力を要するものであると。
税理士 大津留廣和
情報ネットワーク2012年2月表紙より
70年前を振り返ることで、いま私たちが生きる時代の流れが見えてくると、その延長線上に、未来が浮き上がってくる。その未来とは、明治維新、太平洋戦争終結に匹敵する社会変革だ。
明治維新終結が1877年、太平洋戦争終結が1945年、すると次なる変化は2015年。
つまり・・・・、私たちが新たな歴史サイクルのはじまりを目撃する日は、すぐ目の前まで迫ってきている。
2015年の大変革に向けては、誰もが準備しておかなければならない。
(2022-これから10年、活躍できる人の条件 神田正典著 PHPビジネス新書)
・人口動態から来る景気予測・動向
・アメリカのリーマンショック後の金融恐慌から来るお金の流れ
・東日本大震災から来る日本人の考え方の変化
・借入金の返済ができない企業・個人の増加
・欧州財政危機の影響
・アメリカが事実上のゼロ金利政策を少なくとも2014年終盤まで継続する方針等
私たちが経験したことのないことが次々と目の前で起こってきています。
しかし歴史を振り返ると見えるものがあります。
大きな時代の流れのなかで技術革新や経済構造の変化が60年~70年周期で起こるということです。恐慌や大変なことが起こる可能性があることに対して、私たちは何を準備していかないといけないのか、真剣に考える時期が差し迫って来ています。
経営者であればデフレ時代であろうが、インフレ時代であろうが
「お金の流れ」を中心に置き、負債比率(企業の純資産と負債のバランスを示す数値)と総資産利益率(売上高利益率×総資産回転率)等と各々の業界の中で大事な比率をチェックし、人、モノを考える経営を貫けば、いつの時代も生き残ることができると思います。
税理士 大津留廣和
情報ネットワーク2012年1月表紙より
ある雑誌の資料によると2010年度の世界の名目GDP(USドル)ランキングは
第1位 アメリカ 14兆6578億ドル 第10位 インド 1兆1537億ドル
第2位 中国 5兆5878億ドル 第20位 ポーランド 4686億ドル
第3位 日本 5兆5458億ドル 第30位 タイ 3188億ドル
第4位 ドイツ 3兆3315億ドル
第5位 フランス 2兆5825億ドル だそうです。
これらを円ベースに置き換えてみると(計算をわかりやすく1ドル100円と仮定して)
第1位 アメリカ 1465兆円
第2位 中国 558兆円
第3位 日本 554兆円 になります。
これらを1人当たりの生産性に置き換えると
第1位 アメリカ 1465兆円 ÷ 2.6億人 = 563万円(年間)
? 中国 558兆円 ÷ 15億人 = 37万円(年間)
第2位 日本 554兆円 ÷ 1.3億人 = 419万円(年間) になります。
この結果から見ると、日本の1人当たりの生産性は中国の約11倍の豊かさになっています。
アジア圏の人々は一人当たりの生産性が高い日本のようになりたいと思っている現状が浮き上がって見えてきます。しかし現状は日本全体が悲観一色のように写っているギャップが気になってしょうがないのは何が原因なのでしょうか。その原因は現在の日本が直面しているデフレ社会としてとらえるのではなく、極端に15歳から64歳までの人口が減少し、65歳以上の人口が増え続けているという「人口動態」で理解しなければ対応できない所に来ている感じがします。
それならば私達もここで意識を変え「1人当たりの生産性を上げることに舵を切り始めるべきでしょう。」
私達中小企業の経営者は労働生産性の向上のため、業務上の無駄の排除、ITの活用等による生産効率の向上や、新たな製品やサービスの開発や供給等による付加価値の増大に取り組むとともに、賃金水準と相関関係にある労働生産性の向上の重要性について従業員と認識を共有し、従業員が意欲的に仕事に取り組み、付加価値を作り出す能力を高めていくべく、経営者と従業員がともに努力していくことが時代の要請の感じがしてなりません。
あわせて上記の数字から読み取れることは、中小企業の経営が総崩れになり、おかしくなるのではなく、きちんと経営している企業は原則通り栄えるということの表れのような気がします。
税理士 大津留廣和